ロンドン大学 国際プログラム - Heronium のブログ -

University of London International Programme の学生として日々感じたことを発信します。

シンガポール政府とコロナウイルス対策

現状

シンガポールでは、先週の金曜日にオレンジアラートが発令されました。これは、2003年のSARS以来の発令です。この発令により、週末多くの人々が備蓄のためスーパーに押しかけ店頭に商品がほとんどないスーパーもちらほらと出始めました。このように自分の周りでは不気味な緊張感が漂っています。

下図は、ウイルス警戒レベルです。

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DORSCON ALERT LEVEL

これにより今週から自分の学校で新たに2つのことが行われ始めました。

  1. 学校の入り口で体温検査
  2. 警官が定期的に学内を巡回

1では、少しでも熱があれば学校に入ることは許されず速やかに病院にいくことが求められます。2に関して、正直何のためにいるのかわかりませんが、これは検疫が確実に行われているのか確認するための目的ではないかと思います。

このため、生徒の間でもかなり緊張感が高まっています。自分のような正規留学生で本国に帰る生徒も少なからずいるらしいです。しかし、今月末までが一応学期内となりますので多くの学生がいまだ学校に通っています。

シンガポール政府と意思決定

完全な民主主義とは言えはしませんが、今回の件に関してシンガポール政府の施作実行スピードには感心するあまりです。

理由としては、2月1日から中国本土に滞在歴のある人々はシンガポールに入国できなくなったこと、シンガポール国内の感染者においては大部分が感染経路の特定がなされており残りのルート解明に力を入れていること、シンガポール国立感染センターで患者を集中管理していること、最後にシンガポールではコロナウイルスに対するワクチンのテストを早くても3ヶ月以内を目処に実行する計画があることからです。

また、シンガポールではSARSほど流行は確認されていませんが、すでにSARSと同じクラスの警報、オレンジアラートが発令されています。このように、政府は各週単位で何かアクションを起こしているので、日本ではあまり感じることのない国全体の意思決定スピードを感じとることができています。やはり、これはSARSの二の前を踏みたくないシンガポール政府の強い意志と国土が小さくかつ国民の数も都民の半分という小国ならでばのメリットかなと思います。

権威主義と民主主義

シンガポールは完全な民主主義ではありません。

大学に入る前は、民主主義こそ至宝、民主主義に勝るものはないと考えていました。しかし、実際に大学で政治学を学び、シンガポールという完全な民主主義でない国で生活してみると、決して民主主義は大正義ではなく一長一短が存在するシステムと気づかされました。もちろん、権威主義を完全に肯定するわけでもなくこれにも同様にメリットデメリットは存在すると思います。

例えば、このコロナウイルスの一件にしても隣国とシンガポールでは意志決定スピードに大きな差がありますし、人口が少ない分施作の効果がすぐに表れ評価もしやすいのではないかと思います。

UOLで身につけたことを通して、、、、

今回の騒動においてもUOLで身につけたことが実世界で生かされているなと以下の3点で感じました。

  • 前提を疑ってみる。
  • 物事を違う角度から多面的に考える。
  • 身につけた知識を使い上記を思考する。

特に、コロナウイルスにおいては情報が多く何が真実で真実でないかわかりません。

例えば、

business.nikkei.com

しかし、海外の記事では

www.nzherald.co.nz

全く逆のことを言っています。

この情報だけでも関係するアクターが、中国政府、上海、日本、新聞記者、研究者等と数多いです。その分だけ情報は、誇張や間違った風に伝わる機会が増えるかとおもいます。伝言ゲームごときで、最初と終わりで違うことなんて多々あるので況やニュースとなると何人関わっているのかわかりません。もしかしたら、自分の情報も間違っている箇所もあると思います。しかし、このような世の中に出回っている情報を見極める能力はUOLで鍛えられるものではないかと思います。

最後に、ただ単に学歴ではなく、UOLを通して考えられるようになった上記3つの点は自分にとって学歴以上の価値となっていますし、これらを使用して自分が知覚してきた世の中を再認識、再評価することで日々、新たな発見と驚きを得ることができています。

  

最後に、この状況が劇的に改善されることを願っています。

Best,,,